【Facebook Live対談】寮長が語る「ボーティングスクールの魅力」

本学の寮長である塩澤先生に寮生活についてお話を伺いました。前半は本学の寮の設備やルール、1日のスケジュールなどについて、後半は寮生活を通じて成長できることやメリットについて、塩澤先生の豊富な経験に基づく考えやエピソードを教えてもらいました。最後には皆様からの寮生活に関するご質問にもお答えしました。
広報担当 大山(以下、大山):簡単に自己紹介をお願いします。
寮長 塩澤(以下、塩澤):大学院時代を含めて30年ほど国語教員をしていました。そのうち8年間は全寮制の学校で教員をしつつ、ハウスマスターとして生徒たちとともに寮生活を経験しました。
大山:寮長以外にはどんな人がいるんですか?
塩澤:私の他にHouse Superviserが4名、その他国際バカロレアのディプロマ・プログラム(以下、IBDP)を取得したHouse Mentorが最大10数名、日常生活や勉強のサポートをします。
大山:IBDPを取得したHouse Mentorというのは?
塩澤:姉妹校の名古屋商科大学の英語で経営学士を取得できるGlobal BBAコースにIBDPを取得した学生が在籍しており、彼らにHouse Mentorとして一緒に寮生活をしてもらう予定です。
大山:国際高等学校でもIBDPを導入する予定なので、その先輩が身近にいるというのは心強いですね。
塩澤:はい、生活面はもちろん、学習面でもいつでも相談したりアドバイスをもらったりすることができます。
大山:1日のスケジュールはどうなっていますか?
塩澤:平日の起床は朝7時、就寝は22時の予定です。8時45分から16時までは授業があり、昼食をとるために12時には一度寮に戻ります。授業の後はミーティングがあり、夕食までエンゲージプログラムに取り組むことができます。夕食後は学習時間の他、清掃の時間とシャワータイム、洗濯の時間となります。
大山:週末のスケジュールはどうなっていますか?
塩澤:週末、土曜日または日曜日にウェルビーイングのワークショップに参加してもらいますが、その時間以外は自由時間です。夕食時間までの外出も可能です。外泊はセキュリティの問題を考慮し、原則としてできません。
大山:寮にはどんなルールがあるのですか?
塩澤:寮はもちろん家ですから、リラックスできる空間になります。しかし集団生活ですから、自己中心的な行動はできません。マナーや節度を守って行動することが求められます。先程の起床時間や就寝時間、外出のルールの他、清掃や洗濯などは各自ですることになりますし、個人の携帯電話は寮や学校では使用できません。PCは支給されますのでそれを利用してもらいます。WiFiは完備されているので、いつでもインターネットは使用することができます。その他にも、各部屋ごとにマイナールールを決めてもらいます。
大山:共有スペースはどういった場所がありますか?
塩澤:1階はラウンジをはじめ、食堂などオープンな空間が多くあります。小さいですが図書館もあるので、自習室として使用することも可能です。トイレとランドリーは共用です。2階・3階の各フロアにはそれぞれ多目的スペースが大小合わせて4箇所あり、寮生とコミュニケーションを取ったり勉強したりすることもできます。2階・3階の各個室は、全ての部屋に壁一面の大きな窓があり、天井も高い開放的な空間になっています。4人で1部屋をシェアすることになります。
大山:個室の家具や設備はどうなっていますか?
塩澤:個室にはベッドと収納、机、椅子といった家具の他、エアコン、洗面台、シャワールームが完備されています。
大山:寮生活を通じて生徒はどう変化、成長していくのでしょうか?印象に残っていることを3つ教えてください。
塩澤:まずは、友人たちとお互いの違いを強く意識することになるでしょう。それをどのように受け止め、考えたり話し合ったりしながら調整していくか。そういった経験を通じて生活習慣や価値観、考え方の幅も大きく広がり、多様性への寛容力を身につけることができます。そこに一番の成長がありますね。
次に、24時間の共同生活のなかで、自分以外の人間の魅力にも気づくことが多いですね。勉強やスポーツの得意不得意だけではなく、センスや意識の差を感じると思います。ファッションセンスはもちろん、声の掛け方や仕草、思考の方法や動き方、計画の立て方、段取りの組み方など、同世代からたくさんの学びがあります。他者の存在を認めるようになることができ、自分の多面性、長所も見えてくるので、自分のアイデンティティを見つけ出してくれると思います。
3つ目に、他者への貢献が自然とできるようになることです。2人とか3人とか小さな集団の中でお互いの長所を認め合うことから、リーダーシップは始まります。他人に認められれば自分が豊かになり、自分だけがよければいいという考えではなく、相手を豊かにしようと努力できるのです。お互いを応援しようと思うのです。寮生活の中で適度な距離と緊張感が生み出す魔法ですね。
大山:塩澤先生はさまざまな生徒の変化や成長を目の当たりにしてきたと思いますが、印象に残っている具体的なエピソードを教えてください。
塩澤:以前の寮生活でこんな話を聞きました。ある生徒が留学したアメリカの寮では、食事後のゴミやプレートは放置するのが普通だったのですが、彼は日本の習慣として毎回自分で片付けていました。これに気づいて目を止めた先生が褒めてくれ、みんなの前でこのマナーについて話してくれたというのです。この習慣はとてもいいと受け止められ、その後片付けは全員が自分ですることになったそうです。彼の何気ない個人的な行動が他者から相対化されたことで気づきがあったのです。彼も他人に影響を与えたことにとても驚きました。それをきっかけに、留学先で積極的に行動ができるようになったようです。
大山:それは寮生活ならではのエピソードですね。国際高等学校も世界中から生徒を集めるので、そういった出来事があちこちでおこりそうです。
大山:そのほかに寮生活にはどんなメリットありますか?
塩澤:寮生活では通学時間もなく集中できる環境があるので、さまざまなことに没頭する時間を作れることがメリットです。徹底的に物事を考え、調べ、思考を積み重ねることに熱中できる、最高の環境です。同じコミュニティで24時間を過ごすわけで、討論する相手にも事欠きません。メンバーと一緒に生活する安心感も効果的に影響してくるでしょう。もちろん、毎日の規則正しい生活により、健康的な生活習慣や時間管理の習慣が身に付くことも大きなメリットです。また、勉強はもちろん、食事以外の身の回りのことは自分で全てこなすことになるわけで、自立して勉強や生活を送るための力やスキルを身につけることができるでしょう。
大山:そんな寮生活を有意義に過ごすコツがあれば教えてください。
塩澤:まずは、好奇心を持って未知のことにチャレンジする、しなやかな気持ちは持っていてもらいたいですね。様々な環境や状況の中で最大限できることを考え、工夫して実行しようとすれば、必ず誰かが助けてくれます。それから、多様な個性を持つ友人たちとの共同生活になりますので、相手に興味を持つことも大切です。相手の長所を見つけてほめる癖をつけておくと、翻って自分にとっての成長にもつながると思います。
大山:最後に、高校生に寮生活がおすすめできる理由を教えてください。
塩澤:高校生は大人として自立していく重要な時期で、その準備期間として寮生活は最適な選択肢だと思います。中学生までに基礎学力や生活習慣、身の回りのことをこなすスキルを身につけた上で、新しい段階になる花開く時期ですね。自分の個性を伸ばし、創意工夫をしてゆく時期です。大学受験など進路選択という人生の大きな岐路でもありますから、自分の能力を最大限に発揮してもらいたいと思います。そのために多くの刺激を受け、試行錯誤しながら思考し、物事に没頭できる環境が寮生活にはあります。
大山:ありがとうございました。最後に視聴者の皆さまからの質問にお答えしたいと思います。
Q.寮の見学はいつ頃から可能でしょうか?
A.オープンキャンパスで寮部屋のモデルルームを見学いただけます。4/29(祝)に第1回のオープンキャンパスを開催し、次回は6/5(土)を予定しています。なお、寮の完成は来年3月を予定しているため、完成した建物への見学は4月以降になると思います。
Q.食事についてはいかがでしょうか?宗教やアレルギーなどが考慮されたり、多国籍な料理が提供されるのでしょうか?
A.はい、さまざまな食文化や宗教、アレルギーに対応することはもちろん、栄養・健康面もしっかり考慮した食事を提供予定です。
Q.個人の携帯は預けるとのことですが、週末など自由に使える日はあるのでしょうか。
A.原則外出時のみ安全管理のために携帯させます。緊急時には保護者と連絡を取ることは可能です。
Q.夕方や夜間など、寮での個人学習についてサポートはありますか?
A.寮長やHouse Supervisor、House Mentorにいつでも相談いただけます。House MentorはIBDPの取得者のため、特に心強い存在となるでしょう。
Q.体調不調の場合は病院などに行けるのでしょうか。
A.校内に医務室があります。また、車で5分のところに愛知国際病院という総合病院があります。内科、外科、整形外科、皮膚科、神経内科が揃っています。また、歯科も近隣に2箇所あります。