教授法と学習成果
私たちが学習成果について検討するとき,しばしば学習者の態度や習慣が話題になります。もちろんそれらは学習成果と深く関係していますが,教師もまた,学習者の成果に対して重大な責任を負っています。
教育の歴史の中で,教え方は時代とともに発展してきました。現在では、教師は教育的意図に応じて様々な教え方をしています。例えば、教師が生徒に素早く効果的に知識を習得させたいと考えている場合は、教師中心のアプローチである講義スタイルを選択するでしょう。また、生徒が工作のクラスで協調性を高めることを意図している場合には、生徒中心のアプローチとしてグループワークを取り入れることができます。一般的には、これらの様々なスタイルの教え方を組み合わせて、限られた授業時間の中で効果的に教育と学習を進めていきます。
NICでは,生徒を中心としたアプローチであるケース教授法を、探究型学習のアプローチとして採用しています。国際バカロレアのカリキュラムは、探究型学習のコンセプトに基づいて設計されているため、生徒は対話的かつ探求的に学びます。教師は,生徒の学習過程で様々な協働学習の機会を提供します。ケース教授法では、教師はあらかじめ生徒に教材を配付し、生徒はそれを予習してから授業に臨みます。教材は通常、「ケース」と呼ばれる現実世界や物語をベースにしたシナリオで、生徒は物語に登場する問題を、自分が同じ状況に置かれた場合にどのように解決するか考えます。この学習プロセスを通じて、学生は批判的思考、分析、問題解決のスキルを身につけていきます。
このように,「学習」という言葉は,もはや知識の習得だけを意味する言葉ではないのかもしれません。教師は,年齢や習得レベル,学習目的など様々な要素を鑑みて最適な教授法を選択する必要があります。また,学習者が学習をこれから始める際や学習に思い悩んだ場合,何を学ぶのかだけでなく,どのように学ぶのかを考慮して再検討することが,学習成果を上げるためのキーになるでしょう。