ケースメソッドとボーディングスクール
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現在世界中の教育界でその有効性と社会進出後の活躍が期待される教育手法であるケースメソッド、生徒中心の主体的で能動的な学びであり、知識を身につけるだけでなく知識に基づいた自分の考えを他者との対話によ...
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ボーディングスクールとは
Boarding School
インターナショナルスクールとは?
インターナショナルスクールとは何かについて、正確な情報が少ないと同時に誤解も多いので、総合的に解説したいと思います。まず「インターナショナルスクール」とは英語を公用語とした幼稚園や小学校と捉えがちですが、それは日本国内のみの話です。知り合いのお子さんが「インター」に通うらしい・・という話を聞いたら、少し冷静に考えましょう。
まず、インターナショナル(国際的)なスクール(学校)という言葉は非常に幅広く定義も曖昧です。極端な話、学校に一人でも外国人がいればインターナショナルスクールと主張することもできるでしょう。日本の学校教育法にインターナショナルスクールという定義はありませんし、それは幼稚園レベルから大学院レベルにわたって共通する話です。ではインターナショナルスクールの価値とは何か?
インターナショナルスクールが提供する教育の最大の価値は「国際性の高い環境で学ぶ」事に他なりません。国際性というのは参加者としての学生や教員のみならず、教育手法や教材に関しても通じる言葉です。欧米に比較して「モノカルチャー(単一文化)」の傾向の強い日本において、画一的な偏差値対策学習ではこれからの国際社会に通用/対応したリーダー育成が難しいのでは?と考えるのは当然です。
であれば、どのようなモノサシでインターを選択すべきでしょうか?以下では多面的にインターナショナルスクールのメリット・デメリットを紹介していきます。
では、一体何をもって「インターナショナルスクール」と呼ぶことができるのでしょう?
など考えられますが、よく考えてみれば多くの疑問が浮かび上がってきます。例えば「1」の外国人の生徒の受け入れに関してであれば、一人でも外国籍の生徒を受け入れていればインターなのでしょうか?その基準に明確な境界線はありません。そのような、曖昧な線引きを利用して存在するいわば「自称インター」の存在は進学先を見極める上で厄介な存在です。これは日本国内に限らず世界中で共通しています。
自称であれば何とでも表現できるので、世界にはインターナショナルスクールの教育課程や運営体制を「第三者」が評価・認証し、その教育の質を保証しようとする取り組みが各地で行われています。その代表例がスイスの国際バカロレア機構(IB)となります。
インターナショナルスクールの教育品質を確認する方法は、実際に指導する教師がどのような「教員資格」を有しているのか?要は教師の採用基準といった教育の質を確認することから始まります。教員資格としての評価ポイントは以下に列記しておきますが、インターナショナルスクールにおいては各国の基準にとらわれず、各学校の判断で教師を採用することになりますので、学校選択において教師陣は慎重に精査すべきポイントです。
採用基準に関する代表的な要件 + 各国の教育政府機関(国内では文科省)が発行する教員免許 + 教育学もしくは担当科目領域における修士号もしくは博士号 + 担当科目の国際バカロレア教員資格
ちなみに、国際バカロレア校で教科を担当するためには、必ずIBが提供する教科ライセンス資格(免許更新制)を取得することになりますので、国際標準の質保障が担保されています。詳細は各学校の教師紹介ページを確認することをお勧めします。
日本国内で大学進学する場合、原則論としては主に以下の条件となります。要は、各都道府県が認可した「高等学校」以外の場合は、公認のインターナショナルスクールを卒業することが、大学進学の上で重要な要素となるのです。
日本国内における、学校とは「学校教育法(昭和22年法律第26号)第1条」に定められる、幼稚園、小学校、中学校、高等学校、大学、を指しますので、それ以外は「各種学校」と呼ばれます。この各種学校とは、学校(一条校)以外で、学校教育に類する教育を行うもののうち、所定の要件を満たす教育施設である。と定義されています。
海外大学への進学であれば、前述の(2)と(3)が重要になってきます。中でも大学入学資格として人気を博している「国際バカロレア」は国際性豊かなスイスに拠点を構え、世界中の大学が「大学受験に必要な教育を提供しているインターナショナルスクール」と認めているからなのです。
対象年齢 | 国際基準 | 英国基準 | 国内基準 |
---|---|---|---|
03-12歳 | PYP | 幼稚園&小学校 | |
11-16歳 | MYP | IGCSE 14-6歳 | 中学校 |
15-16歳 | Pre-DP | 高校1年 | |
16-18歳 | DP | A-Level | 高校2-3年 |
インターナショナルスクールの多くが認定を有する「DP」はいわゆる高等学校に相当するのですが、DPは3年間ではなく2年間で日本の高校2年(16-17才)と3年(17-18才)に相当します。ですので、国内ではPre DP(国際教育準備課程)なる課程を、高校1年(15-16才)に対して提供する必要があります。なお、インターナショナルハイスクールの場合は、MYP卒業生以外にも国内の中学校卒業後の受け入れも容易にするために、DPに加えてPre DPを提供することが一般的です。
IBDPは総合 45点満点(最高7点×6教科+コア科目3点)のうち、24点以上で合格となります。IB科目を6科目履修し、各科目7点満点+TOK(Theory of Knowledge)と呼ばれるエッセイが3点満点で、合計45点満点。各科目はHL(高レベル)とSL(標準レベル)に分かれており、6科目中、HL科目を3つ、SL科目3つを取得する必要があります。この合計点が24点以上で、DP取得となり大学受験の書類選考で有利になります。
General Certificate of Education Advanced Level(GCE上級レベル)をA-Level(Aレベル)と呼び、英国ケンブリッジ大学傘下の教育機関であるCambridge International(ケンブリッジインターナショナル)が提供している国際資格で、イギリス(スコットランドを除く)の高校卒業資格及び大学入学資格になります。
APは全部で38のコースで構成される米国式の教育課程です。APプログラムは、学習への高い意欲を示す高校生を対象とした高度な教育プログラムとして国際バカロレアと共に世界的に認知されています。APプログラムを採用する高校は年々増え、世界で約2万校、300万人の高校生が履修しているといわれています。APのメリットとしては、以下が挙げられますが大学側の対応は様々です。APの学生をどの程度受け入れているかの実績で判断することになります。
インターナショナルスクールが提供する教育課程と大学受験との親和性を表現すると以下の形になります。◉は十分に認知されている、◯は大学による個別対応の要素が強い、✖️は十分に理解されているとはいえない。
米国 | 英国 | 国内 | |
---|---|---|---|
IBDP | ◉ | ◉ | ◉ |
A-Level | ◯ | ◉ | ◯ |
AP | ◉ | ◯ | ✖️ |
ここまでは認証や教育課程の話が中心になりましたが、次は受験について解説しておきます。日本の学校教育は4月スタートに対してインターナショナルスクールの場合は9月スタートになる傾向にあります。これは卒業後の進学や帰国子女や駐在員の子弟の受け入れを容易にするための配慮でもあり、実際には編入(最終年度は受け入れ不可が一般的)という形で随時受け入れを行う場合が多いといえます。
そして公用語は基本的に英語になり、保護者との対応が全て英語もしくは現地語になる場合もありますので、海外のインターナショナルスクールへの進学に際しては要注意です。
直行便が存在する場合には、現地空港とスクール間の送迎を準備すればよいのですが、小中高生が国際線を乗り継いで海外インターナショナルスクールに通う場合には「UMサービス」を利用することになります。UMが利用できない区間ですと、年に何回も送迎に保護者が同行するといった想定外の費用がかかる場合もありますので要注意です。
一般的にインターナショナルスクールの授業料は高額と表現されます。授業料の背景には人件費が大きな比率を占めていますので、「優秀な教員」や「少人数教育」を追求しようとすると高くなりがちです。したがって、教員資格のみならず、生徒と教職員の比率と呼ばれる数字(ST比率)を確認することをお勧めします。
このような諸要素を十分に比較検討するのは困難であり、ついSNS、ネット、知人からの情報に頼りがちですが、まずは現地を訪問することをお勧めします。1-2時間の訪問でも学校の雰囲気や、入試担当者との会話で得られるものは多いと思います。
7-8月に実施しているサマーキャンプなどの滞在型のイベントに参加することをお勧めします。参加費用は年間授業料の1/10程度ですので、参加者の属性も把握できる機会かと考えています。