IBの科目選択方法:医学 / エンジニアリング / 環境科学者
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Boarding School
ボーディングスクールとは
ボーディングスクール(Boarding School)とは寄宿学校の事を指しますが、つい私たちはイギリスやスイスの特定の学校を思い浮かべてしまいます。しかし、それ以外に一体幾つのボーディングスクールをご存知でしょうか?実は世界には数万の高等学校(公認・非公認含めて)が存在し、そのなかには国際的な認定を有する「ボーディングスクール」が293校存在しています。この数は、英語公用語、全寮制教育、男女共学、かつIB認定校の数です。IB以外にも高等学校教育課程を認定する機関にはCISやWASCが存在するので、もう少し条件を広げたとしても600校程度でしょう。世界の国の数がおよそ200ですので国あたり3校という計算になります。
ボーディングスクールで教育を受け、また数多くの国際的なボーディングスクールを訪問してきた経験から言えることは、私たちの多くはボーディングスクール教育の意義と価値について偏った情報しか持っておらず、多くの誤解があるという点です。このコラムでは後悔しないボーディングスクール選択のために、国際高等学校の話題にとらわれず、ボーディングスクールの意義と価値を多面的に紹介していきたいと思います。
以下の表は、ボーディングスクールを比較検討する上で重要な用語ですので、必要に応じて参考にして下さい。
認証機関 | IBO・CIS・WASC |
教育課程 | IB(国際)・A-Level(英国)・AP(米国)・一条校(日本) |
修了年限 | 2年間・3年間・4年間 |
教育言語 | 英語・フランス語・日本語 |
寮運営形式 | 全寮制・平日寮・選択制 |
日本国内で都道府県に認可を受けた学校(一条校)で「英語公用語」の「全寮制教育」を提供している学校は以下の通りとなります。受け入れの年齢については確認できる範囲となりますので、詳細は各学校にお問い合わせください。
学校名(一条校) | 設立 | 学校種 | 教育課程 | 入学時期 |
NUCB International College | 2021年 | 高等学校 | IBDP | 9月 |
Jinseki International School | 2020年 | 小学校 | IPC | 4月 |
ISAK JAPAN | 2014年 | 高等学校 | IBDP | 9月 |
上記の一条校とは正式に「高等学校卒業資格(高卒)」を提示することが可能な学校となります。IBスクールへの入学イコール「IBDP取得」ではなく、卒業時のIBスコアによっては大学受験資格が不確定になる事態を考えると、一条校での高卒資格に加えてIBDPを同時取得可能な選択肢の重要性を認識する必要があります。なお、学校種に関わらず高等学校に対応した教育を提供する国内ボーディングスクールは以下となります。受け入れの学年に関しては各学校にお問合せください。
学校名 | 設立 | 学校種 | 教育課程 | 入学時期 |
ISAK JAPAN | 2014年 | 高等学校 | IBDP | 9月 |
NUCB International College | 2021年 | 高等学校 | IBDP | 9月 |
Harrow International School Appi | 2021年 | 各種学校 | A-Level | 9月 |
Rugby School Japan | 2023年 | 各種学校 | A-Level | 9月 |
まずはじめに、ボーディングスクール(Boarding School)とは「寄宿学校」を意味しており、次世代のリーダーを育成する場所になります。こうした寄宿学校の真の価値を理解するためには、ボーディングスクールが持つ数多くの特徴を理解する必要があります。まず、通学制による中等教育課程(中学・高校)を提供する教育機関はその寮の運営形態によって以下のどれかに分類可能です。
日本国内にも、遠隔地からの学生の受け入れやスポーツ活動に専念するために寮を併設する学校は幾つか存在しますが、教育目的として全員が寮生活を営む形態は「フルボーディング」を選択することになります。ハーフボーディングは、一見自由度が高く魅力的ではありますが、学校の内に寮生と自宅生の異なる生活様式(文化)が生まれることになります。
週末や連休に帰宅することの可否は学校毎のポリシーによって変わりますが、通常は保護者経由の申請と校長もしくは寮長の許可が必要になります。そのほか、年末年始(クリスマス休暇)や長期休暇(夏休み)などの長期休暇は全員が一斉に帰宅することになります。これは教育的な配慮に基づくものであると同時に、定期的に設備のメンテナンスを行う時期にもなります。
英語公用語のボーディングスクールは、授業は全て英語となり多様性が高い学修・生活環境が期待できます。集う学生のみならず教職員も、専門性および多様性が高く、友人として・家族として・ライバルとして生涯続く貴重なネットワークを持つことができます。
国際ボーディングスクールにおける、寮生活の指導言語も当然ながら英語が標準となりますが、友人同士で母国語で話し合うことは禁止されていないのが一般的です。
国内にはいわゆるボーディングスクールは10校ほど存在しますが、その中でも英語を公用語とするインターナショナルスクールは極めて限られるのが現状です。そこでこのコラムでは、国際ボーディングスクールの教育に焦点を当てて行きたいと思います。
まず、ボーディングスクールのボーディングとは「食事付きの宿」という意味になります。よく海外のホテルを予約しようとすると、ハーフボーディングやフルボーディングという選択肢が表示されますが、それと同様の意味合いです。したがって、寄宿制学校がボーディングスクールの正確な意味とります。ではその反対は何になるのでしょうか?すなわち、通学制学校となりますが、それらはデイスクールと呼ばれます。
以下は標準的な寮生の一日の生活例となります、複数のボーディングスクールの実施例を参考にしていますので、どこか特定の学校の紹介ではありませんが一つの目安になると思います。登下校に必要となる時間が不要になりますので、その分、授業時間数が多いのが特徴です。EC: Extracurricular Activities(課外活動)
7 | 8 | 16 | 7 | 18 | 3H | 24 | |||
起床 | 登校 | 授業 | 昼食 | 授業 | 補習 | EC | 夕食 | 自習 | 消灯 |
日本の高等学校を卒業する上で必要となる最低限の授業時間数は「74単位」、50分授業を35回受けて「1単位」と計算します。因みに、74単位は定時制や通信制の学校が採用する数字であり、日本の高校生の3年間の平均的な取得単位数は「90単位」。そして、いわゆる「進学校」であれば100単位は授業を履修し、本校のように110単位を上回る学校も1%ほど存在します。これを無理なく可能にするのが通学時間が不要な全寮制ボーディングスクールのメリットとなります。
少しボーディングスクールの話題から外れますが、教師が何かの事情で授業を休講にした場合、課題が提示され、別の教師が教室で監督する。そんな光景を日本の高等学校をよく目にします。しかしながら、これは適切な授業運営の姿とはいえません。時間数が全てとは言いませんが、休講分の時間数の補講を実施することが「教育の質保障」の第一原則と考えています。本校の場合であれば「補助授業」と呼ばれる時間帯が補講用の授業として使用されることになります。
そうなるとボーディングスクールで生活する学生の事は英語でどう呼ばれるのか?と疑問に思われるかもしれませんが、寮生は「ボーダー」と呼ばれます。ボーダーの生活は今後ご紹介するとして、集団生活を営むための「ルール」の下で規律ある生活を3年間営むことが求められます。このボーダー同士の人間関係がボーディングスクールの最大の特徴といっても過言ではありません。
食事以外の身の回りのことは基本的に自分で管理し、国内外の多様な環境で育った家族以外と長期間一緒に生活すると、自ずと主体性が高まります。通常、山の中や海の近くに位置しているため塾通いとは無縁の生活になり、学習支援や健康管理に関しては専門のスタッフが常駐することになります。
後継者教育を早期から検討しているファミリービジネスの経営者、企業や組織の中で中核的な役割を担う方々や、外交官のように国内外を頻繁に移動する必要のあるご家庭が多い傾向にあります。それ以外にも帰国子女のご家庭、両親が専門職として共働きの場合、外国籍の方々も検討されることが多くなります。
通常の高等学校のカリキュラムの場合もあれば、IBDPやA-Levelと組み合わせる場合などいくつかのバリエーションが存在し、大学進学先は世界中に広がります。ちなみに、IBDPは英語と母語を重視する一方で、A-Levelは英語教育のみとなります。在学期間中に母語での学修をどの程度求めるか?ご家庭の価値観が問われる選択肢となるでしょう。また、設置者の種類(高校、大学、企業)によって抱える教員や施設の充実度が異なるので、必然的にカリキュラムも影響を受けるでしょう。
インターナショナル系の教育課程は多くの場合、大きく分けて海外の教育課程(主に、IBDP、A-Level、など)と文部科学省による高等学校教育課程(都道府県認可の「Article1(一条校)」)の2種類に区別されます。特に、後者のカリキュラムを有していない場合には、原則として中学卒業の扱いになりますので、進学を検討しているボーディングスクールがどの設置基準に基づいた教育課程を提供しているのかを事前に把握しておく必要があります。
ボーディングスクールというと中高一貫というイメージがありますが、それはボーディングスクール全体の20%に過ぎず、約6割のボーディングスクールは高校教育課程のみで運営されています。国内のボーディングハイスクールは多くの場合、山や海など自然豊かな環境で提供されます。夏休みなどの長期休暇以外は寮内で生活することになりますので、一度、その環境に足を運ばれることをお勧めします。
高等教育(大学進学)は18歳からという点において共通しているのものの、中等教育は世界各地で様々です。例えば高等学校は日本では3年間、米国は4年間、英国は2年間で、歴史的に米国や英国の影響を受けている地域はその伝統に準拠することもあれば、週ごとに異なる教育制度を有している国(カナダ)もあるのです。
2年間 | 英国 | インド | オーストラリア | ロシア | ベトナム | ウガンダ |
3年間 | 日本 | 韓国 | 中国 | タイ | ブラジル | スウェーデン |
4年間 | 米国 | スイス | ケニア | ハンガリー | ブルガリア | ケニア |
5年間 | イタリア | |||||
特殊 | ドイツ | シンガポール | カナダ |
全寮制高等学校の場合は授業料と寮費がセットになり、合計すると年間400万円が標準的で、場合によってはその国の物価水準によって影響を受け年間2,000万円になります。生活面に関する費用として家賃、食費、水道光熱費、保険代、諸活動費などが授業料に含まれるためです。さらには寮生活中の生活指導、健康管理なども必要になるため、ハウスディレクター、ハウススーパーバイザー、ハウスナース、といった教員が常駐することが多いのが特徴です。
これは「ST比率」と呼ばれる数値で、教職員一人当たりの生徒数比率となります。日本国内の高等学校の平均は13となりますが、ボーディングスクールの場合はその半分の「1:6」前後が一般的です。スイスのトップレベルのボーディングスクールでは「1:3」という学校も見たことがあります。
通常の高等学校と比較して、少人数の英語公用語の教育環境は高額になりがちです。経済的に困難な学生を対象にした成績優秀者に対する奨学金制度を国際的なボーディングスクールは整備しています。
現在、世界にはIB認定を受けた全寮制のボーディングスクールは206校存在します、その中で「男子校」は7校です。おそらく皆さんの想像よりも少ないのが現実です。そして「女子校」はその3倍の21校、そして「男女共学」は185校となり、国際的な認定を受けたボーディングスクールでは男女共学が9割を占めているのです。
このようにボーディングスクール卒業生の数が絶対数として少ないため、特定の学校のイメージ(例えばイートン)に縛られやすい傾向にあります。これはビジネススクール(例えばハーバード)にも共通することです。そこで、ここではボーディングスクールの魅力を中立な立場でコラム形式で紹介していきます。
ボーディングスクールへの進学方法はいくつか存在しますので、まずはサマーキャンプへの参加を通じながら学校の教育理念に合致するか確認されることをお勧めします。
大学進学を考えた場合にボーディングスクールが提供する教育課程は大変重要な要素です。また、どの国にも対応可能なのはIBとなりますが、大学進学の地域が既に決定している場合は、A-Level(英国系)もしくはAP(米国系)に対応した学校を選択することもあり得ます。
高等学校に相当する教育はDP(2年間)、中学校に相当する教育はMYP(5年間)と呼ばれるカリキュラムによって提供されます。IBDPは総合45点満点(最高7点×6教科+コア科目3点)のうち、24点以上で合格となります。以下のリンク先ではIBを運営するIBOが、IBスコアで受験できる大学一覧と受け入れ実績数を公表しています。入学実績としては5000大学に達しており、その中から受け入れ報告のある大学(約1000大学)は以下から検索することができます。
高等学校に相当する教育はA-Level、中学校に相当する教育はIGCSE(International General Certificate of Secondary Education)と呼ばれるカリキュラムによって提供されます。IGCSEと似た言葉として「GCSE」がありますが、これはイギリスの生徒が16歳で受験する「イギリスの義務教育修了資格」となり、IGCSEは海外向けのGCSEとなります。従ってインターナショナル生はIGCSEを受験します。
一条校(学校教育法第一条に定められた学校のためそう呼ばれます)高等学校(3年間)および中学校(3年間)と呼ばれるカリキュラムによって提供され、各都道府県によって認可された学校を指し、それ以外は「各種学校」と呼ばれます。
サマースクール(サマーキャンプ)などの1-2週間の体験プログラムを現地で実施していることが通例ですので、実際に環境面や雰囲気を把握するためにも参加されることをお勧めします。どのボーディングスクールにおいても入学者の半数近くはサマースクール参加者と聞いています。
幼稚園からの受け入れを実施しているボーディングスクールも存在しますが、主流となるのは中学もしくは高等学校となります。国際カリキュラムは魅力的ではありますが、その分だけ自国の言語、古典、歴史、などを扱う頻度が限られるため、アイデンティティをある程度確立してからの入学をお勧めします。
年齢 | 日本 | イギリス | アメリカ | オーストラリア |
4月 - 3月 | 9月 - 8月 | 9月 - 8月 | 1月 - 12月 | |
3-4 | 幼稚園 | Nursery | Nursery | Kindergarten |
4-5 | 幼稚園 | Reception | Pre-K | Kindergarten |
5-6 | 幼稚園 | Year 1 | Kindergarten | Prep Year |
6-7 | 小学校 1年 | Year 2 | Grade 1 | Year 1 |
7-8 | 小学校 2年 | Year 3 | Grade 2 | Year 2 |
8-9 | 小学校 3年 | Year 4 | Grade 3 | Year 3 |
9-10 | 小学校 4年 | Year 5 | Grade 4 | Year 4 |
10-11 | 小学校 5年 | Year 6 | Grade 5 | Year 5 |
11-12 | 小学校 6年 | Year 7 | Grade 6 | Year 6 |
12-13 | 中学校 1年 | Year 8 | Grade 7 | Year 7 |
13-14 | 中学校 2年 | Year 9 | Grade 8 | Year 8 |
14-15 | 中学校 3年 | Year 10 | Grade 9 | Year 9 |
15-16 | 高校 1年 | Year 11 | Grade 10 | Year 10 |
16-17 | 高校 2年 | Year 12 | Grade 11 | Year 11 |
17-18 | 高校 3年 | Year 13 | Grade 12 | Year 12 |
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